てぃーちなー日記

沖縄とオーストラリアが大好きな歯医者の日記。健康ネタを中心に趣味の三線やエイサーなど のんびりと。

首が要

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生後4ヶ月を過ぎた息子。首がしっかりして

きました。赤ちゃんの成長過程で「首がすわ

る」という変化は気になる発育の1つですよ

ね。息子も3ヶ月を過ぎた頃から夜寝かせ付

けをしていると、特に浅い眠りの時に首を左

右に大きく動かす様になりました。しかも

わりと長い時間その運動が続きます。原因は

よく分かりません。何か不快な感じがするの

か、別の理由があるのか。ただ、確実に言え

るのは未熟であった首周囲の筋肉が徐々に

発達してきたという事です。

では「首がすわる」とはどういう事なので

しょうか?

縦抱きにしても一定の間、赤ちゃんの体勢が

安定する(首をまっすぐに保てる)事を首が

すわったと勘違いされているママが多く、中

には2ヶ月から首がすわったと話す方もいま

す。本来、首がすわるというのは、赤ちゃん

の意思で首が自由に動かせるようになる事を

いいます。

英語では、首がすわる事を「ヘッドコント

ロール」と言います。
 
つまり、赤ちゃんが、自分の頭を支えられる

だけじゃなく、自分で自分の頭を自由自在に

動かせるようになって初めて、首すわりと言

えるのです。

 一般的には、3か月を過ぎた頃から5か月にか

けてが、首すわりの時期と言われていますが

赤ちゃんにも個人差があるのであまり気に

することはありません。

赤ちゃんの成長は他の赤ちゃんと比べて競争

するものではないし、早ければ良いかという

と、そうではありません。
 
大切なのは、体重や身長などのバランスも含

めて、その子らしく成長が進んでいるかどう

かということです。

赤ちゃんの運動機能は頭に近いところから発

達していきます。

まずは、目で物を追う事が出来るようにな

り、次に首が動かせるようになり首がすわり

ます。もう少し進んでいくと手が出せるよう

になり、寝返りがうてるようになり、

おすわりが出来るようになります。

発達段階は頭から末端へと進んでいくので

す。つまりまず頸椎が安定して寝返りがうて

るようになり、胸椎から腰椎が安定して

お座りができるようになる。そして骨盤が

安定する事でつかまり立ちが出来るようにな

ります。つまり人間にとっての土台は骨盤で

はなく、脳に近い「首」と言えます。首が座

り終わると乳歯がはえてきます。乳歯の中で

も乳臼歯と呼ばれる奥歯の萌出は、その後の

成長発育に大きな影響を与えて、ひいては

全身の健康に影響を与えます。この話は

長くなるのでまた別の機会に話しますが。

いずれにしても頭を支える首の骨がずれると

土台が失われ、重心のバランスが崩れます。

それにより様々な症状を引き起こすのです。

赤ちゃんの成長過程を見ていて あらためて

首の重要性を実感しています。

 

舌と健康との関係

私達が日常生活を送る上で、舌を意識する事

ってあるでしょうか? おそらくほんとんどの

方がそうでは無いと思います。

でも舌って凄いですよね。舌の細胞で細かな

味を判断して脳に伝える。物を食べる時には

歯で舌を噛む事がないように上手く複雑に

動く。飲み込みにも重要な働きをするし。

私達にとってかけがえの無いものです。

そんな舌ですが意識して動かすように

しないと その機能は低下していきます。

皆さんは舌の正しい位置をご存知でしょう

か?舌にも正しい位置があって、舌の先が

上の前歯のすぐ後ろの歯茎につき、上顎に

ぴったりくっついて上下の歯に全く触れてい

ない位置が本来の舌の位置であるといわれて

います。舌が本来のあるべき位置より全体的

に下降していたり、上下の歯の間あたりを押

し付けるようになっているケースがよく

見受けられます。それを舌癖と言いますが、

舌癖は出っ歯や噛み合わせの不良を引き起こ

し、体の歪みに繋がります。舌が通常の位置

より低い場合を低位舌といいますが、これは

顔の歪み、イビキ、睡眠時無呼吸症候群

歯周病や虫歯の原因になり得ると考えられて

います。それを予防するために舌回し体操を舌の機能を向上させる必要があります。

舌回し体操の効果としては、

1. 咀嚼力の向上
2. 唾液分泌の促進
3. イビキや睡眠時無呼吸症候群の改善
4. 円滑な会話
5. 誤嚥の防止
6. 安眠
7. 噛み合わせのズレを防止
8. 顔の歪みを取る
9. 首や肩こりの改善、予防
10. 頭痛予防
11. 脳の活性化

等が挙げられます。是非皆さんも日頃から舌

を意識して動かし、時間がある時に舌回し

体操を試してくださいね。体に変化が現れる

と思います。

 

舌を診る

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私が毎日の診療で必ずチェックするのが

「舌」です。東洋医学では舌診といって

舌の状態から全身の状態を判断する診察法が

ありますが、それとはまた違いもっと単純な

診察です。私がポイントとして診ているのが

① 舌の大きさ
② 舌の汚れ
③ 舌の位置
④ 舌の歪み

です。特に顎関節症や頭痛、肩こり、イビキ

などの症状がある方は③、④を重視して

チェックしています。今回は④の舌の歪みに

ついて。顎関節症や頭痛持ちの患者さんに

ベロを大きくあっかんべー👅をしてもらうと

ほとんどのケースでベロの先(舌尖部)が左右

のどちらかに歪んでいます。そしてほとんど

のケースでベロの歪みと同じ側で噛んで

います。いわゆる「噛み癖」です。右か左で

噛み癖があるというのは結局 噛み合わせに

問題があり、噛みやすい方で噛んでいるから。

そしてそれを続けていると下顎の位置がずれて

きます。

下顎のずれは顔面、頭の歪みに繋がり、それは

全身の歪みに繋がります。だから噛み

癖がある方の肩や首に凝りが生じ、ひいては

頭痛や顎関節症などの辛い症状を引き起こし

ます。そういう患者さんにまずして頂くのが

食事の時は左右両方の歯でバランスよく

噛んで頂く事、症状が強い方はマウスピース

を装着して頂く事及び 噛み合わせの調整。

舌の運動(ベロ回し)

足の指(特に第三指)をほぐす。

この全てを行なって頂きます。それにより

かなりの症状の改善と予防がはかれます。

また逆に全身の骨格の歪みが噛み合わせのずれ

を引き起こしているケースもあります。

その場合は噛み合わせの治療に加え 骨格の調整

が必要になります。骨格の調整を行わないで噛

み合わせの調整だけで終わると逆に症状が悪化

するケースもあるので注意が必要です。私自身

は整体師の資格があるので自分で調整をします

が必要に応じて信頼出来るセラピストを紹介

してもらい、歯科と連携を取りながら治療を行

う必要があります。

 

 

EBMとNBM

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EBM(Evidence base on medicine)

つまり「根拠」に基づいた医療。とは最新の

臨床研究に基づいて統計学的に有効性が証明

された治療を選択する事により、より効果的

な質の高い医療を提供する事を目的としてお

り現代医学のベースとなる考え方の1つです

。医師が様々な病気に対してガイドライン

(診療指針)に従い治療を進めていくのが

それに当たります。しかしEBMは全ての

患者さんに有効であるわけでは無く、

その有効率は60-90%で有効でない患者さん

が40-10%存在する事になり、疾患によって

EBMを適用出来ないケースもあります。

一方で、NBM(narrative based medicine)

とは「物語」に基づいた医療という考え方で

患者さんが対話を通じて語る病気になった理

由や経緯、病気について今どの様に考えてい

るかなどの「物語」から医師は病気の背景や

人間関係を理解し患者さんの抱えている問題

に対して全人的にアプローチしていこうと

する臨床手法である。患者との対話と信頼関

係を重視し、サイエンスとしての医学と

人間同士の触れ合いのギャップを埋める事が

期待される。EBM, NBMともに大切な考え方

であるが、今の医療に求められているのは

医療の基本的な考え方であるNBMの考え方

をもう一度見直す事ではないでしょうか。

医療機器や検査データに頼るあまり、検査に

異常が無ければ病気と考えないようであれば

結果として患者さんの悩みや苦しみは癒やさ

れる事はありません。

2017年を迎えて。

正月休みを終えて今日から勤務です。

昨年末は色々とあって、ある意味今まで自分が

避けて来た、いや見ようとしなかった一面と本

気で向き合った数日でした。

それに気付かせてくれた妻に心から感謝をしています。

 

昨年の大きな出来事としては私達夫婦に子ども

を授かった事です。この世にこれ以上愛おしいものは無いと言い切れる位息子が可愛いです。

 

この子が社会人として自立できるまで 責任を

持って親の務めを果たさなくてはいけない。

そう心に強く誓いました。

 

2017年を迎えてこれから自分がすべき事は人生を逆算して数え今自分がすべき事を明確にし、それを着実に実行して行かなくてはいけないという事です。

 

家族の今と将来、父として夫としての責任。

 

自分の理想とする歯科医師像。それに近づくための理想と現実。

 

色んな思いが交錯して新年を迎えました。

 

今年もきっと色んな事があるだろうな。

 

たとえそれが困難な事であっても しっかりと

 

それと向き合いたい そう思います。f:id:nankurux:20170104131023j:image

 

目指すもの

私が将来目指すもの。

それは歯科統合医療センターの設立。

 

コンセプト

1. 口腔は全身の健康とリンクしているという考えのもと、歯科の立場から全身疾患にアプローチする。頭痛や肩こり、目眩などの咬合関連症候群や医科では原因不明とされた疾患の症状の緩和や治癒を目指す。

 

2. 疾病予防と未病状態の発見

 

3. 正しい情報の発信と患者教育

 

アプローチの仕方

 

1. 心身にストレスを与えない治療

 

2. スプリント治療を主軸とした咬合治療と

東洋医学や温熱療法、整体、栄養療法などの自然療法や代替療法を組み合わせながら患者本人の持つ自然治癒力を高める治療を行い症状の改善を目指す。また、単に治療を行うだけでなく症状を繰り返さないための生活指導まで行う。

 

3. 職種や専門分野の垣根を取り払い、西洋医学、東洋医学、自然療法などそれぞれの専門家と連携をはかり患者さんの治療にあたる。

飲み込み( 嚥下) に関して

嚥下(飲み込み)に問題を抱えた患者さんの

 

食事介助やリハビリをして行く上で私達が最

 

も大切にしている事の1つが「よく観察す

 

る」という事です。診る=観察 診察する上で

 

最も基礎的な事が観察するという事です。

 

特に実際に患者さんが食事をされている様子

 

を注意深く観察する事がとても大切になり

 

ます。今回は私自身が誤嚥を問題に抱えて

 

いる患者さんの食事観察で大切にしている

 

ポイントについて書いてみたいと思います。

 

1. 覚醒状態と意思疎通の有無

2. 食欲の有無と嗜好

3. 椅子や車椅子等に座っている姿勢

4. 足の位置、安定性

5. 顔面、頸部の緊張の有無 可動域

6. 麻痺の有無

7. 視力、視野の範囲

8. 肩から指先にかけての動き

9. テーブルや椅子の高さ

10. 食器の種類

11. 食事の形態とメニュー

12. 食事の温度と味、色彩

13. 開閉口運動、開口量

14. 歯牙、義歯の有無

15. 唾液量、流涎の有無。

16. 口腔内外の乾燥感

17. 咀嚼運動の有無

18. 咀嚼側の確認

19. 舌の動き

20. 摂取する順番

21. むせ込みの有無

22. 呼吸音の聴診

23. 嚥下音の聴診

24. 一口量

25. 摂取ペース

26. トータルの摂取量

27. 食事開始から終了までの時間

28. 介助者の観察

等々

まだあげればたくさんありますが、

 

ざっとこれだけの事を中心に観察し、

 

記録に残し問題点の抽出を行い、

 

必要な嚥下リハビリのプランを作成

 

していきます。しっかりと観察する

 

事で、多くの発見があります。

 

高価な医療器具が無くても出来る範囲の

 

事をする。実際に今私が使用しているの

 

も聴診器ぐらいだと思います。

 

観察した情報や他の情報を他職種

 

の方々と共有し、それぞれ専門的な

 

立場から患者さんにアプローチを

 

して行く訳です。

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