EBMとNBM
EBM(Evidence base on medicine)
つまり「根拠」に基づいた医療。とは最新の
臨床研究に基づいて統計学的に有効性が証明
された治療を選択する事により、より効果的
な質の高い医療を提供する事を目的としてお
り現代医学のベースとなる考え方の1つです
。医師が様々な病気に対してガイドライン
(診療指針)に従い治療を進めていくのが
それに当たります。しかしEBMは全ての
患者さんに有効であるわけでは無く、
その有効率は60-90%で有効でない患者さん
が40-10%存在する事になり、疾患によって
はEBMを適用出来ないケースもあります。
一方で、NBM(narrative based medicine)
とは「物語」に基づいた医療という考え方で
患者さんが対話を通じて語る病気になった理
由や経緯、病気について今どの様に考えてい
るかなどの「物語」から医師は病気の背景や
人間関係を理解し患者さんの抱えている問題
に対して全人的にアプローチしていこうと
する臨床手法である。患者との対話と信頼関
係を重視し、サイエンスとしての医学と
人間同士の触れ合いのギャップを埋める事が
期待される。EBM, NBMともに大切な考え方
であるが、今の医療に求められているのは
医療の基本的な考え方であるNBMの考え方
をもう一度見直す事ではないでしょうか。
医療機器や検査データに頼るあまり、検査に
異常が無ければ病気と考えないようであれば
結果として患者さんの悩みや苦しみは癒やさ
れる事はありません。